INTERVIEW   with TOMOVSKY
 
  「悩んでも、くさっても、ぐちっても、つまんない/天才にやすんでるひまはない」(『天才ワルツ』より)。ってな訳で3月24日にミニアルバム『WALTZ』を発表するトモフスキーこと大木知之氏にシドロモドロになりながらハナシを聞いてきました。
 
 
___インタヴュー/構成 : 川又弘之

 

 

大木知之の音楽体験
大学入りたてのころは別に音楽やろうなんて思ってなくて。(音楽は)普通のテレビで流れてるようなものしか知らなかった。(音楽やり始めた)キッカケは音楽サークルにムリヤリ入れられて。新入生のときひっぱられて入るじゃん。たまたまかなー。別にフーとかジャムとか聴いててもオレがこういうのやりたいとか思わなかったし。ただ、そうこうしてるうちにXTCのファースト聴いて。何かスゴイ、歌をつくる楽しさみたいなのを感じたんですよ。「ア、コレ楽しそうだな」「コレでイイんだったらオレもたくさん(歌を)つくりたいな」と思って。だからキッカケはXTCのガースト。それはホント。あと、日本のローザ・ルクセンブルク。そのころ日本のバンドって何かロックっぽいのばっかりでカッコ悪かったんだけど、ローザって歌詞とかね、全然いわゆる汗ばんだロックっぽくなくて。だから、そういうの見て「アア、これがきっと本当のロックっていうか、音楽なんだよな」と思って。(ロックロックしたものは)ダサいと思ってたね。ヒネクレ世代だったからね。スカした世代、シラケ世代。最近は何かみんなアツくなってんじゃん。シラケ世代を卒業して。みんなエネルギッシュになってるよね。曲とか歌詞とか。でも、あの時代は全然。例えばトモフスキーなんてさ、スゴイまじめじゃん。歌詞の世界が。ああいうの、あのころは全然やろうと思わなかったしね。だからローザとかXTCがスゴイ、ピッピッときたんですよ。「コレがいいな」「コレだったらオレもジャンジャンやるぞ」(と思った)
ヒトの音楽は全然(聴かない)。自分がやる音楽とか、オレの知ってる人の音楽はたまに聴くけど。友達がライヴやってればたまにライヴ観に行くくらいだけどさ。あんまりもともと音楽聴くの好きじゃないから。
(外タレを観に行くっていうことも)ナイナイナイ。オレ、外タレなんてさ、シンディ・ローパーが武道館に来た時に誘われて行っただけ。それも人のお金だったし。何も観てないよ、外タレは。
(自分で進んでライヴに行ったことは)皆無。チケット買ったことあるかなぁ?でもローザが明大生田祭でさ、ローザとレピッシュと何かとやったときはチケット買ったような気がする。そんときはホントお客さんとして行った。すぐ解散しちゃったんだけどね、ローザは。ここ10年ぐらいは一度も・・・っていうか自分で音楽やりはじめちゃうと人の音楽はあんまり興味なくなっちゃうよね、いろいろタイプがいると思うけど。常に新しい音楽聴いて吸収していく人もいるけど、(自分は)全然違うな。なるべく外からの音楽の刺激は受けないように(している)。受けるとね、器用だからね、すぐ影響されちゃうから、器用ビンボウだから。
(ミュージシャンになるなんて)全然思ってなかったし。30近くになってもこんなふうな楽しい生活してるとは思わなかった。ちゃんときっとサラリーマンになってガンガン働いてるんだろうな、とか思ってたから。ラクになろうと思えばラクに行けるんだ、こんなことは想像してなかった。ラッキー
カステラからトモフスキーへ
(出来上がった音に関しては)今まで(カセット時代)は迷わなかった。1つしかないから。でもラーメンとカレーがあったりするとさ、カレーもいいよなーって思うじゃない。それがメンドクサイよね。今度はどうなるだろうなぁ。迷うようなカレーは出されても、絶対カレーは選ばないようにしようかな。今度やる時は。迷うようだったらもうこっちのカレーの方が良さそうだと思ったら、じゃあそっちを採用。そこらへんはもうちょっとはっきりしようかなぁと思うけど。カステラの時はスゴイよ。カレーもあるしラーメンもあるしさ。スパゲティもあるし、6皿ぐらいあるうちのどれを選ぶかってほどみんな強いワンマン志向じゃないから。「いや、混ぜよう」みたいな。「混ぜて何とかおいしく食えるようにしようか」みたいな。そういうのだからねぇ。なるべく作品残す時は絶対誰かが強烈にワンマンにならないとダメだな。
カステラ終わらせたのもそういうのあるけどね。いよいよやりたい方向が3人もうホントに混ざらなくなってきてさ。この3人が1つのバンドにいるのは大変だってことになって。それはきっとみんなも感じていたんだけど、誰も言い出さないから、ちょっとオレが「いいかげんにやめようよ」(と言った)。(必然的な解散だと)オレはそう思ってるけどね。メンバーから見ると「何突然言い出すんだ」とかっつう。「迷惑だ」とかいう話もありましたね。やっぱりね、30くらいになったらちゃんと別れないとね。カステラか・・・。名前が失敗したよな(笑←ちょっと自嘲気味)。もっとなめられない名前にすればよかった。(「カステラ」というバンド名は)みんなで適当にラーメン屋か何かで、何かおちょくった名前付けてやろうぜっつってさ。消化器とか、バケツとか、コップとかさ、水とかね。何でもよかったの。トモフスキーはね・・・何か今までバンドやってた人がさ、普通に「大木知之」とかなると何かニューミュージック化するみたいでヤじゃん。バラード化するみたいで。よくあんじゃん。あれって落ち着いたイメージでヤだと思ってたから、とりあえず漢字じゃない方がいいなと思って。
(CD「WALTZ」の選曲は)自分で。曲数はフルアルバムじゃないと言われて。カセット時代の(曲の中から)ジャンルとか関係なくインパクトの強そうな曲を4曲選ぼうかな、とも思ったけど、それだとただの作品集みたいになっちゃってつまんないから、やっぱりコンセプチュアルに、一枚何かの色でやりたいなと思って。ちょうど3拍子の曲が3、4曲かあったから。
(収録曲「天才ワルツ」をつくった)その時なんやかんやで人間関係で結構ウツになって。もめててね。でもなんかそう悩んでるのがツマンナイっていうか、寝られないから、なんとかスッキリして寝たいなと思って。で、その時にそういう悩みを終わらせる何かキーワードを自分で見つければ、悩みが終わってゆっくり眠れるなぁと思ってね。そんで、あーだこーだ日記で自問自答してて・・・「オレは天才なんだからこんなんウダウダ悩んでる場合じゃないんだ。さっさと寝て明日のためにちょっと早く寝なきゃ」と思って、「そうだ、オレは天才なんだから」っていうふうに思い込んでその日は眠れました。 ラブソングに限らず全部(の歌が実体験の反映)。だから「コレは誰?」とか、結構ケンカになる。「コレは誰のことなの?「ん、それは君じゃないよ」「誰?誰?」「君に話すことではない」「何でいまさらこの歌を唄うの?」「ボクは歌を唄う人だから」「今でも根に持ってるわけ?」「んー」(っていうふうになる)
(シアワセなときは)あんまり曲つくろうと思わないね。日記も毎日書いてるわけじゃなくて。「こりゃちょっと混乱しちゃってる」(って)ときに箇条書きにして。まとめないと自分が何考えてるかわかんないなってときに日記付けるから。だからラブソングでも恋がうまくいってるときなんて別に混乱してないから日記に向かうことないから。残っている記録は全部ウニャウニャしてる気持ちしか記録に残ってない。書く時にはね、読み返すためには書いてないけど、あとで「コレは歌詞になるかもしれない」とか思った時に四角で書いてあるものを囲って。で、あとで四角を探して、「曲になるかなぁ」「コレは名曲になりそうだ」とか。全部が、生活が材料になっちゃって。オソロシイ。人間関係もみんな歌になるための材料。フッフッフッ。ロボットみたいなオトコだからさ。
インタヴュー後記
これを読んだのと、インタビューの録音テープを聞くのではかなり印象が違うと我ながら思います。ホント、シドロモドロになってしまい、大木さんにはとても迷惑をかけてしまいました。ゴメンナサイ。話してる途中「『浄水機を通した水はウマイ』っていうことを書いといてくれ」みたいなことを言われたので最後に書いときます。